湾岸地域の500戸を超えるマンションの管理組合法人理事長。16年間理事長をしていたが、膵臓癌発症して2019年に引退。復帰はないと思っていたが、諸般の事情から2023年に復活。これまで、管理組合のガバナンス構築・制度設計・規約改訂・長期修繕計画・積立金適正化・大規模修繕等、一通りのことは経験してきました。RJC48評議会議員。マンション管理のコンサル引き受けます。
前回のエントリーで、駐輪場ラック入れ替え工事実施について紹介した。この検討を行っているときに、かねてからの懸案である「貸し自転車の使用料金の適正化」についての議論もなされた。本エントリーはそのあたりの事情と議案内容について記載する。
A. 現行の貸し自転車利用料金体系は以下の通りである。
1. 電動アシスト自転車:100円/6時間
2. 普通自転車:30円/6時間
この料金水準自体が、「安すぎる」印象が拭えないが、今回はその問題はメインではない。「普通自転車:30円/6時間」を「50円/6時間」に改訂しようというのが、論点である。
B. 料金の改定率を見ると、「1.7倍の大幅値上げ!」と見えるのであるが、絶対額からするとたったの20円上げるだけ。しかも6時間であるので、時間あたりに換算すると3円/時間に過ぎない。こんなものに時間を取られたくないのが、理事長としての本音であるが、そこはいろいろという人もいて、大人らしく聞いてあげるふりをしなければならない。
この30円という料金は、貸し自転車を始める際に、「利用者を増やすために、とりあえず安く設定しておこう」という全くコストや需給状況とは関係のないところで決まった数字である。正式に制度化するときに、「上げようよ!」という議論はあって、私はその方向だったのだ。しかし、当時の理事の大半は、「今までが30円だったから。値上げすると反対が多くなる。先になって考えればいいじゃない?」という日本の意思決定の典型である、前例・事なかれ・先送りという悪しき風習でもって決まった記憶がある。
私も、「どうせ、私もすぐに理事長辞めるんで、いいか・・・」と、半ば投げやりな気分で黙認した。その後、10数年に渡って理事長務めることになろうとは、そのときは想像だにしなかったのであるが・・・閑話休題。