国土交通省(以下、「国交省」)の「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(以下、「検討会」)で検討されていた、
「『マンションの管理の適正化に関する指針』および『マンション標準管理規約』の改正(案)」(以下、「改正案」)について、パブリックコメント(以下、「パブコメ」)の募集が開始された。パブコメの募集要項については、
こちら↓
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155150730&Mode=0
いい機会であるので、この問題に関する今年の動きをまとめておく。
1. 報告書公表
検討会の報告を受け、国交省は、平成27年5月にWebサイト上で平成27年3月付の検討会作成の報告書(以下、「報告書」)を公表した。この報告書は2年半のブランクを挟み、本年2月に再開された検討会を経て翌3月に卒然として決定されたものである。
2. 総務省の動き
一方、総務省は、国交省の検討会の報告書と時期を同じくして、平成27年3月、「都市部におけるコミュニティの発展方策に関する研究会」が報告書をとりまとめ、同省自治行政局住民制度課長は、平成27年5月12日付で、全国の各都道府県総務担当部局長に宛てて、同報告書の趣旨を踏まえた「都市部を始めとしたコミュニティの発展に向けて取り組むべき事項について」を通知した 。
同通知は、管理組合がコミュニティ形成活動を行いその費用を支出することを肯定・推奨し、なおかつ地方公共団体(市区町村)に対して管理組合のコミュニティ活動を、自治会等の地縁団体と同じレベルで支援するよう指示している。
そして、上記の総務省の通知には、「なお、本通知は、・・・マンション管理に係る観点から国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室(正に本件テーマを取り上げている報告書の担当課)と協議済みであることを申し添えます。」と明記されており、総務省の通知を国交省も追認していることが明らかであることが読み取れる。
3. 有志による先行意見書提出
しかし、報告書のうち、3「マンション管理組合と自治会との関係、コミュニティ活動について」(以下、「本件テーマ」)には、
a) 2つの東京高等裁判所判決に明確に反しているなど看過できない法律解釈的な明らかな誤り、
b) これまでの国交省の政策を説得力ある理由がないまま転換するという不整合、
c)総務省との合意事項に反しているという政策の一貫性の欠如
があったため、首都圏を中心とする
マンション管理組合(13管理組合、合計9,309戸)は、平成27年5月28日付で、国土交通大臣、検討会座長に対して「マンション管理組合のコミュニティ業務に関する意見書」(以下、「先行意見書」)を提出した。合わせて、同日有志が記者会見を開き、この間の事情をマスコミ各社に説明した。
マスコミ各社はこの動きを受け、それぞれの媒体において、報告書の内容および内包する問題点についての解説記事を公表している。また、ネットにおいても、本テーマへの言及記事が相当数見られ、マンション管理に興味のあるブロガーたちにとっても看過できない問題であるとの共通認識ができあがった。
4. パブコメ開始
先行意見書提出後、国交書からはしばらくパブコメ募集がなかった。5ヶ月を経過して、国交省は、平成27年10月21日、「マンションの管理の適正化に関する指針(改正案)」(以下、「指針改正案」)及び「マンション標準管理規約及び同コメント(改正案)」(以下、「標準管理規約改正案」)に対するパブコメの募集に至った。
5.「標準管理規約改正案」の評価と対応
指針改正案および標準管理規約改正案には、先行意見書で指摘された問題点の一部については反映されているが、「コミュニティ条項削除」自体は維持されている。また、判例解釈についても、まだ誤解がある上に、その誤解に基づいて結論を出す論理においても牽強付会な点が多い。また行政庁の政策運営としても首をかしげざるを得ない点が多々あるので、上記先行意見書を提出した管理組合を中心として、
パブコメの草案を作成中である。 <--
いま、ここパブコメ意見書の内容については関係者限定なので、ここでは紹介することはできない。そのうち、国交省から結果が公表されることと思う。
6. 今後の予定
パブコメの提出期限は平成27年11月19日なので、この日までには意見書を提出することとなる。意見書に賛同する管理組合は、順次理事会の決議を採っているところである。決議が揃ったところで、先行意見書と同様に各関係者に提出することとなる。
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