年をこすにあたって、マンションの玄関先に門松を設置するのは「よく見る風景」から、「あって当然の風景」に変わってきたように感じる。それだけ住民の「故郷意識向上=コミュニティ形成」を思考する管理組合(または自治会)が増えてきているからだろうか?
うちのマンションも、当然のことながら門松は建てている。マンション竣工当時からだからもう20年近い歴史が有る。竣工当時は「無駄だ!」などという意見も出ていたが、そのうち少なくなった。東北大震災後は、まったく出なくなった。災害時におけるコミュニティのありがたみが住民側も身にしみてわかったためだろう。うちは、計画停電を何回か食らったが、その都度住民ボランティアがマンションの玄関先での住民の道案内、排水の溢れチェックなどを行っていたので。
門松自体も当初は住民の親戚の植木屋さんにお願いしていたが、そこが廃業してからは近所のモールに出入りしている業者さんにお願いしている。費用は若干高くなったが、1戸あたりにすれば10円玉程度の差でしかない。こういうときは「大きいことは良いことだ!」という気分になる。門松を年賀状の背景に使う人もいて、年が迫ってから写真を撮っていた人も散見された。
新年にはじめてエントランスをくぐる際には、「住民に幸多かれ!」と思わず祈ってしまった。私も年をとったのだ。