世の中、春闘の季節。春闘と言っても若い人は知らないだろうが、私が若い頃は毎年賃上げ交渉が行われていて、それが春だったために「春闘」という言葉になった。バブル崩壊後は、日本の労働者の賃金が高騰しすぎて、国際競争力を失うということを経営者が主張。東南アジアなどへの生産拠点を移す動きもあり、いつの間にか「賃金は上がらないもの」となった。そのおかげで、いまや先進国の中では日本の最低賃金は安い方となってしまった。
政権のインフレ誘導政策もあって、ここ3年ほど「官製春闘」として、政府が民間に働きかけて賃金上昇を促している。今年は3%の賃上げという数値目標を掲げるほどである。
マンション管理組合にも賃上げの影響が及んできている。警備委託費の値上げの話は書いたが、次ぎは管理会社の委託費用の値上げの話。これは管理会社から言われたんじゃなくて、こっちから言ったんだけどね。「甘い理事長だなあ」と言われるだろうけど、いろいろ事情があるのだ。
管理委託費については、初期設定からずっと変更なしだったが、消費税が8%に値上げされた時に、「下げてね」とお願いして、22万円/月下げてもらった。また、今年3月の臨時総会で、「管理組合法人と自治会の分離」を可決。管理組合法人で自治会の面倒を見なくなった分、管理会社の事務量が増えている。
こういう事情があって、「値上げの申し入れが来たら、検討はするよ」と言っておいたのに反応したわけである。値上げという以上、納得できる根拠がないと理事会・総会を通すことができない。それなりに考えたと見えて、最低賃金の上昇を反映した数字になっていたなあ。
理事会で検討した結果、「値上げ、やむなし」という結論になった。後は総会を通さないと駄目だ。だれに説明させるかなあ。