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ミッキーのマンション管理よもやま話

湾岸地域の500戸を超えるマンションの管理組合法人理事長。16年間理事長をしていたが、膵臓癌発症して2019年に引退。復帰はないと思っていたが、諸般の事情から2023年に復活。これまで、管理組合のガバナンス構築・制度設計・規約改訂・長期修繕計画・積立金適正化・大規模修繕等、一通りのことは経験してきました。RJC48評議会議員。マンション管理のコンサル引き受けます。

2020.05.26_Tue:善意を知る、マンション管理クラスター



今回はちょっと毛色の変わったエントリーである。
 
「地獄への道は善意で敷き詰められている」、または
「地獄への道は善意で舗装されている」
という諺(むしろ、警句かな)がある。
 
英文では、「The road to hell is paved with good intentions.」という。
 
Wiki(https://ja.wikipedia.org/wiki/地獄への道は善意で舗装されている)によると、この諺は、第2回十字軍を推進したクレルヴォーのベルナルドゥスが「地獄は善意や欲望で満ちている」("L'enfer est plein de bonnes volontés ou désirs") と書いた(1150年ごろ)ことが由来らしい。
 
この諺の一般的な解釈は、以下の2つだ。私は、2の意味で使い、1の意味では使わない。
1. 悪事または悪意は、善意によって隠されているものだ
2. 善意でなされた行為であったとしても、その実行により意図せざる(悪い)結果が招かれる
 
私は、糖尿病なので、糖質制限を実行している。糖尿病の根本的治療法は、糖質を摂取せず血糖値をあげないのが王道であるからだ。
 
しかし、世の中にはいろんな利害関係者がいる。中には、糖質食品を販売することを生業とする人も多い。こういう人々にとっては、糖質が売れなくなることは生活に関わるのことだ。糖質制限食が当たり前になっては困るのだ。糖尿病治療薬を製造販売する製薬業界も同じ構図がある。
 
そこで、かかる利害関係者は、「日本人は、お米食べなくちゃね」とか、「糖尿病治療のためには、炭水化物を60%摂取する栄養バランス取れた食事が重要」というキャンペーンを行い、糖質摂取の宣伝を推進する。
 
自分の頭で考える習慣を持たず、この宣伝を信じた人は、糖質制限している人に対して「もっと糖質摂らないと、体に悪いわよ」という善意の助言をすることになる。
 
ここで上の諺が出てくるのだ。すなわち、よかれと思ったしたアドバイスが、その結果として、糖尿病を悪化させ、合併症を生じさせる。すなわち、地獄に突き落とすということとなるのだ。
 
そして、最近の世の中を見ていると、「地獄への道は善意で敷き詰められている」という事例が多すぎる。無知がなせる悲劇が多すぎる。中には、「いくらなんでも、アホすぎるんじゃないか?」という悲劇も多い。そうなると、この諺も「地獄への道は『無知』で敷き詰められている」という方が正しい表現だと思わざるを得ない。
 
もっというと、「正しい表現」というより、「分かりやすい表現」だ。この諺にでてくる「善意」という言葉には、「無知」というニュアンスがあるからだ。「善意」というと、法律クラスターでは、民法のテクニカルタームである「善意」を意味する。すなわち、「善意」=「知らないこと」というのがデフォルトなのだ。こういう一見世間の常識とは違っている世界はないだろうと思っていた。
 
ところが、Twitterでやりとりしていて、気がついたことがある。意外にもマンション管理クラスターでは、この民法でいう「善意」がデフォルトなのだ。私は、この分野は素人だが、さすがはマンション管理原理主義者が集まるクラスター。世間とは違う人が多い。近寄りたくはないものだww
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