続その1(http://micky0011.blog.fc2.com/blog-entry-52.html)でも指摘した通り、一次下請とされる日立ハイテクノロジーズ社の会社概要を見てみた。ホームページには、過去の財務諸表と並んで、有価証券報告書が上がっているし、定款も閲覧可能だ。
その定款には、第2条「目的」として、「当会社は次の事業を営むことを目的とする」とあり、その第3項に「建設業」とあるので、一応「建設業」は営業範囲であると読み取れる。ところが、2014年度の有価証券報告書を見てみると、セグメント情報のところには「建設業」はなく、組織その他の会社概要でも言及されていない。
パークシティLaLa 横浜の工事収入を計上したと思しき2007年度の有価証券報告書でも事情は同じ。ここでも、建設業に関わる記述は出てこない。前身の一つである「日製産業」時代とは異なり、現在の社名になってからは、片隅に追いやられたままとしか思えないなあ。いくら過去のつながりがあるとはいえ、三井住友建設という大手がよく一次下請けに起用したものだ。
マスコミが取り上げないのが不思議だけど、平成27年10月15日付で、
本件に関するプレスリリース(http://www.hitachi-hightech.com/jp/about/news/2015/nr20151015.html)はでている。以下、全文引用する。
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当社請負杭工事の不具合に関するお知らせ
当社が、工程の進捗確認、現場の安全確保等を行う一次下請として請け負った横浜市所在のマンション の杭工事において、一部不具合が発生したことが判明し、所有者様、居住者様ならびに関係各位の皆さま に、多大なご心配をおかけしていることを心からお詫び申し上げます。
現在、不具合が発生した詳細な原因につきましては、三井住友建設株式会社(以下「施工会社」)様お よび旭化成建材株式会社(以下「二次下請施工会社」)様と調査を進めております。また、今後の対応に つきましては、居住者様の安全を最優先に考え、三井不動産レジデンシャル株式会社(「施主」)様、施工会社様および二次下請施工会社様と協力の上、真摯に対応してまいります。
なお、本件に関する当社の業績への影響につきましては現時点では不明であり、確認でき次第お知らせ いたします。
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さすがに広報の専門家(ひょっとすると弁護士もくわわって)が書いたプレスリリースだけあって、巧みな表現を駆使して、「うちは杭打ち施工に関する責任はないんだよ〜」と言っているなあ。
「工程の進捗確認、現場の安全確保等を行う一次下請」というくだりがそれであって、責任の範囲は、あくまでも「工程の進捗確認、現場の安全確保」に限定されているというスタンス。まあ、私も広報する側の経験もあるから、下手なことは書けないという姿勢はわかる。そのうえで、1) 調査中である、2) 真摯に対応する というあたりさわりのない文言で、今後のフリーハンドを確保しているわけで、官庁がよく使うロジックに似ている。
畢竟、このリリースは「一次下請けとして、何も出さないと、批判されるだろうから、当たり障りのない、耳障りがよく、謝罪したかのようなリリースでも出しておけ」ということなんだろう。企業人が行う広報というのは、こういうものであって、是非はともかく、立場はよくわかるが・・・
ところで、このエントリーを書いている時点(2015/10/27)では、同日付の日経新聞朝刊コラムに取り上げられているのが目につくくらいで、あとは寡聞にしてマスコミが取り上げたという話は聞かない。「ここらあたりに何かがある」と、素人は思うがどうなんであろうか。
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1. >この事件の闇は
ピンハネした金は闇金としてよからぬことに使われた
建設業界の贈収賄
わらわら(*^_^*)