横浜のマンションで、杭打ち不良によって、建物が傾いた事件が世間の耳目を騒がせています。当事者となった方は、さぞ心配でしょう。同情に耐えません。
本件に関しては、マンションマニア系の有名ブロガー諸先輩が、それぞれの立ち位置で卓越したエントリーを書いているので、あえて付け加えることはありませんが、管理組合理事長として一言。
本件解決方法としては売主が提案している全棟建替えか、あるいは損害賠償をもらって引っ越すかの選択肢しかないように思えます。住民としては悩ましいところです。というのも、該マンションは2007年竣工と報じられているので、すでにある程度のコミュニティが形成されていると推測できるからです。
住民の中にはこのマンションを終の住処と決めて、地域活動に注力していた人がいいるはずです。また若い子育て世代でも、ママ友ネットワークが出来上がっており、それなりの快適なご近所付き合いをしているだろうなあと思えます。
この人たちにとっては、「マンションに住み続ける」ことこそが生活を支える最大の価値だろうと思えます。従って、この人たちは、上記の選択肢のうち、「建替え」を選ぶと思います。
一方、子供がいない世帯は、コミュニティとは比較的距離を置いてきた(私が住むマンションでもそうです)と想像がつきます。通勤至便とかの事情がない限り、「損害賠償」を選ぶのではないかなと思います。
建替えは、区分所有者の4/5の賛成が必要です。単純に総会出席者の4/5ではなく、全区分所有者の4/5ですから、緩和されたとは言え、相当に高いハードルです。
該マンションの区分所有者がどちらを志向するのかは外部からはうかがい知れませんが、何れにしても管理組合、就中理事長が強力なリーダーシップを発揮しなければまとまらないでしょうね。この問題に対処する理事長が、輪番制で選出された理事で「ジャンケンに負けて理事長に就任した」というのではないことを祈ります。
たとえ自ら立候補した理事長であっても片手間で対応するには荷が重すぎるなあと思います。本業の仕事をしながらだと、悪くすれば過労死しかねない状況ですから。こういう時には、全部自分でかかえこむのではなく、さっさと専門委員会を作ってそこに作業を任せ、「最後の決断は理事長が行なう」というのが理想でしょう。私だったら、全部自分で抱え込みそうだけど(苦笑)
建替えを好むコミュニティができあがっているのなら、そちらから何人かの委員、「損害賠償」派からも相応の人数を出してもらうしかないでしょうね。委員会で問題点をつぶして、何回かの住民説明会を経て総会でしょうね。
「建替」が多数だけど、あと僅かで4/5に届かないと言うのであれば、建替えに準じて、「反対する区分所有者の住戸を買い取る」ことが可能なのかどうか、法的検討も行なっておいた方がいいかもしれません。
1. 無題
専門部会作っても、その部会に入るだろうし、、