弁護士事務所主催のセミナーに出席してきた。主題は競争法(独禁法)の話で、私が聞きたかったのは技術革新と競争法。セミナーの中で、パネルディスカッションが行われた。日本、米国、欧州の弁護士がパネラーをつとめて、それぞれの地域での主題に関する実情や問題点を話すという形式である。
内容についてはマンション管理とはあまり関係ないので、これ以上は立ち入らない。感心したのは、米国・欧州の弁護士のプレゼンのやり方というか、話し方。
よく整理されていて、極めてわかりやすい。例えば、モデレータからコメントを求められると、
「この問題については、3つの問題点を指摘しておく。
1点め・・・・
2点目・・・・
3点目・・・・」
という形で説明してくれる。
一方、日本の弁護士は、「先ほどは、米国の実情についてxyz先生からわかりやすい説明がなされました、ありがとうございます・・・・」という謝辞から始まって、コメントをばらばらと述べる。しゃべり方は人それぞれだし、弁護士と言っても
みんな論理的に整理して話すわけではないことは重々承知の上だが、
彼我の差は明らかである。
加えて、日本は術語が文末に出てくるから、
最後まで聞かないと「肯定しているのか、否定しているのか」が明確にならない。この点、英語では肯定か否定かは文頭で明らかになるので、イライラ感がない。聴衆のことを思えば、英語の方がわかりやすいわなあ(同時通訳している日本語聞いていると、やはり最後までわからないみたい。私は英語で聞いているので、すぐに結論がわかる)。
管理組合の理事長ともなると、総会・理事会・住民説明会等様々な場面で、説明を求められる場面が多い。人前で喋るというのは、聞いている人に働きかけて、何らかの(好意的な)反応を引き出し、もって自分の主張に賛成してもらうという重要なプロセスである。そのためには、
「結論を先に述べる。その根拠が複数あるときは、まず数を上げて順番に説明する」という方法が有効であろう。
プレゼンのときにどう喋るかというのは、それだけで一冊の本が書けるほど、様々なテクニックがあるので、この短いブログで到底全部を述べることはできない。話を聞くのと文章を読むのでは、効果的なやり方が違うのも承知している。だが、
論点を整理してまず全体像を見せるというのは、効率的なやり方だと思う。そういえば、昔大学で習った行政法の先生の講義がこのスタイルだったな。私も心がけなければならない。